aogami

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翌日先生のうちを訪ねると、珍しくあの人の明るい笑い声が聞こえた。 不思議に思い、玄関を開けると、小さな靴が二組、乱雑に置かれていた。 「やあ、由良。…新顔を紹介するよ。友人のお子さんでね、卯月君と葉月君。」 坊主頭の小学生が、僕を見て目を輝かせた。 「聞いてないよ。」 「夕べ決まった事だ。仲良くしてくれよ。」 誰が。…それは僕の仕事じゃないだろ。 「由良は理系が得意だ。…算数と理科を教わるといい。」 先生、勝手に決めるなよ。 しかし、なぜか二人の男の子は僕になついた。 午前中いっぱい、僕は彼らの世話を焼くはめになった。
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