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「先生、さっきの人妻…ああいうのが好みなのか?」
僕が唐突に言うと、先生は眉をひそめた。
「どういう意味だい?」
「不倫、て言うんだろ。いけないことじゃないのか?」
先生が女にモテるの、分かるよ。…さっきの母親の先生を見る目にも、熱がこもっていた。
「意味が分かりませんが?」
とぼける気か。
「あの夜、見たんだ。先生の部屋から女の声が漏れてた。あの人じゃないのか?」
「成る程ね、」先生はそう呟くと可笑しそうに僕を見た。
「あの人ではないよ。それに、君には忘れるように言ったよね。」
忘れられるわけ、ないだろ。
「先生って…うまいんだな。あんなにいやらしい声を出して。」
春奈はあんな声は出さない。
僕が下手だからだろうか。
「由良、やめなさい。」
明らかに不快な顔をした先生は、またあの台詞を言った。
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