aogami

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午後は僕の嫌いな古文だ。 「昔の日本人はさ、着物を重ね着するんだろ?暑くないのかな。」 「そりゃ、暑いさ。」 先生は、そっけない。 「僕だったら、歌を詠む気にもなれない。」 ちぇっ…話を終わらせたな。 どうしても僕と会話を続けるのが嫌らしいな。 そうはいくか。 「恋の歌が多いよね。…平安時代は夜這いの習慣があるって、友達が言ってた。」 「悪い友達だな。…君たちは、そうか。そういう事に興味がある年頃ですかね。確かに平安時代は性に対してわりとおおらかだったかもしれない。」 先生は、興味がなさそうに言った。 「男の子なら、軍記物などがいいでしょう。君に恋の話をしても実感として分からないでしょうから。」 馬鹿にしたな。
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