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「僕だって恋くらい分かるよ。」
「ほう。」
先生は、口角を上げて笑う。本気にしていないのだ。
「由良には好きな女の子がいましたか。…春奈さん、でしたっけ?」
なぜ、ここで春奈の名前が出る。
「あいつは…僕以外ともするから。別に何とも思ってないし。」
「そういう女性と付き合うのは、やめたほうがいい。」
先生はため息をつく。
「君はもっと自分を大事にしないと。」
また説教か。
「じゃあ、先生はどうなんだ?あの夜の女の事が、好きなのか?」
「その話はしないと言ったでしょう?大人には色々事情がある。…君にもそのうち分かるようになるよ。」
ふん、分かりたくもないね。
どうして隠すんだよ?
先生の秘密を、僕がバラすとでも思ってるの?
みくびられたな。
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