5人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
今日は朝から暑い日だった。
朝食を先生ととった後、病院に行くように言われたが、断った。
やがて二人のうるさい子供たちがやってきて、僕に遊んで、とじゃれついてきた。
「勉強しに来てるんだろ?…卯月、昨日の宿題はやったのか?」
…やってないな。
「僕はやったよ。」
葉月が誇らしげにノートを見せてくる。
「どれ?…すごいな、ほぼ合ってる。」
「卯月はね、ずっとサボっててゲームばかりやってたよ。」
「チクるなよなー。」
僕は二人のやり取りを微笑ましく思いながら、結局その日も勉強を見てやった。
「由良、お疲れ。美紗さん、退院したって。帰っておあげ。」
先生は僕の頭を子供にするみたいに撫でると、台所へ消えた。
退院したって事は、大丈夫って事だろ。
すぐに帰らなくてもいいじゃないか。
ぶつぶつ言いながらも、僕はスニーカーを履いて、帰途についた。
母親は少しやつれてはいたが、元気そうだった。
「熱中症だって。」
「馬鹿じゃないの。事故管理がなってない。」
僕は冷蔵庫からジュースを取り出して、グビリと飲んだ。
両親は肩をすくめている。
最初のコメントを投稿しよう!