aogami

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平安時代の貴族たちの事を甘く見ていたな。 恋の歌の気持ちが、少し理解できそうだ。 僕は先生の事が好きで、好きならばやはり想いを伝えたい。 失恋に終わったら…悲しいけど…でも、部屋で一人悩んでいるのは女々しいよ。 そう思い立ち、部屋を出ると、母がぼんやりと窓から外を眺めていた。 「また雨になりそう。由良、先生の所へ行くなら、冷蔵庫にケーキが入ってるわ。もって行きなさい。」 「うん…。」 僕はケーキの包みを抱え、曇り空を見上げながら、外へ出た。
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