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「あ…由良。」
家から数歩も行かないうちに、春奈に出会った。
「今、メールしようかどうか迷ってたの。」
別れ話かな…多分、そんな所だろう。
付き合っていた覚えもないけれど。
「何?忙しいんだけど。」
「…そうなの…ごめん。私、ちゃんと由良と話がしたくて…。」
春奈は消え入りそうな声で、僕をイライラさせた。
「春奈とは色々あったけど、別に気にしなくていいから。…じゃあな。」
「ま…待って…由良!」
構っていられるか。
僕は君なんか好きでも何でもない。
君だって、そうだろ?
突然部屋に押し掛けて、僕を押し倒した。
それからずるずると身体だけの関係が続いてる。
もう、潮時じゃないのか?
僕は彼女を振り切って、先生の家へと急いだ。
見ろ、雨が降り始めてる。
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