つぎ

20/25
前へ
/28ページ
次へ
身体中、炎の中にいるように 熱くて、焦がされる。 「……ん、喉……」 霞む視界をぼんやりと見て 暫くして、ハッと瞼を持ち上げる。 「蜜ちゃん、大丈夫?」 耳の下で、ドクン、ドクンと刻んでいる この心地よくもある音は心臓。 どうやら松本さん、に抱かれて 眠ってしまったみたい。 「喉渇いた……」 掠れている、というか 音になっていないくらいの くぐもった声が届くのか? 「水でい?」 奇跡的に届いたソレ。 松本さんはペットボトルの中の水を 自分の口に含むと あたしの口へと移していく。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1917人が本棚に入れています
本棚に追加