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身体中、炎の中にいるように
熱くて、焦がされる。
「……ん、喉……」
霞む視界をぼんやりと見て
暫くして、ハッと瞼を持ち上げる。
「蜜ちゃん、大丈夫?」
耳の下で、ドクン、ドクンと刻んでいる
この心地よくもある音は心臓。
どうやら松本さん、に抱かれて
眠ってしまったみたい。
「喉渇いた……」
掠れている、というか
音になっていないくらいの
くぐもった声が届くのか?
「水でい?」
奇跡的に届いたソレ。
松本さんはペットボトルの中の水を
自分の口に含むと
あたしの口へと移していく。
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