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暫く黒のセダンを追い掛ける。
車内は無言
私の心はドキドキだ。
不意に「…運転手さん。」と響く
突然声を掛けられたのでハンドルを持つ手がぶれる、慌ててルームミラーに視線を移す。
「恐らく…もうそろそろ到着します…運転手さんは安全の為、私が戻るまで…車で待機していて下さい。」
「は、はい!」
「必ず待機していて下さいね」
ミラー越しに私が頷くと男は静かに目を伏せた。
ドラマで言えば、悪の巣窟にたった二人で乗り込む決意をした私達。
私の人生には無かったハードボイルドな展開だ。
緊迫した空気の中、一体どの位の時間が経ったんだろう。
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