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「おはよ」
「……お、はよございます」
そう言いながら
布団の中へと消えていく彼女
なんとも言えない
愛らしい気持ちに包まれて
思わず俺も一緒に潜り込んだ
「大武せんせ……」
「ん?」
ギュと抱き寄せて
唇を合わせる
「ずっと好きでした」
言いながら俺は彼女の口腔に入っていく
「三年、片思いしてたぶん
一気に弾けました……」
少しずつ
音が変化して
彼女の吐息にも、色が漏れ始める
「夕べは嬉しくて、つい、……」
そして
口腔から、離れると
細い架け橋が、二人を繋ぐ
「許して」
今
彼女の目に届いているのは
きっと、世間で囁かれている
表の笑顔
涼とよく対極で例えられる所の
白の王子
「大武せんせ」
「ん?」
「シタイ」
俺はまた笑った
「いいよ」
「蜜、シヨっか」
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