&【THE MOON Ⅱ】

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「っ――、な、つき」 「んっ……あ、あっ」 「ちょっ、何す――」 「尊、んっ……あっ」 (何シてんの?俺)  アルコールに塗れた、  お互いの。 「あっ、あ……」 「んっ……、は」  舌を絡ませ合いながら  混濁する頭に舌打ちした。  エレベーターを降りた直後――。 「ただいま」 「おかえり~」 「お帰り?」 「ただいま~」 (って!ホント夏樹ガキ) 「たけるの家すごい」 「寮ね?」 「知ってる」 「夏樹――っ」  スルリと腕をすり抜けて  大理石の床に  倒れ込む、濡れたスーツ。 「このッ酔っ払い!」 (危ねーって!くそガキ) 「今のは、わざと」 「は?」 「知ってた?」  クスクス笑う夏樹に  年上の余裕を感じて  無性に、イライラした。
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