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「っ――、な、つき」
「んっ……あ、あっ」
「ちょっ、何す――」
「尊、んっ……あっ」
(何シてんの?俺)
アルコールに塗れた、
お互いの。
「あっ、あ……」
「んっ……、は」
舌を絡ませ合いながら
混濁する頭に舌打ちした。
エレベーターを降りた直後――。
「ただいま」
「おかえり~」
「お帰り?」
「ただいま~」
(って!ホント夏樹ガキ)
「たけるの家すごい」
「寮ね?」
「知ってる」
「夏樹――っ」
スルリと腕をすり抜けて
大理石の床に
倒れ込む、濡れたスーツ。
「このッ酔っ払い!」
(危ねーって!くそガキ)
「今のは、わざと」
「は?」
「知ってた?」
クスクス笑う夏樹に
年上の余裕を感じて
無性に、イライラした。
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