&【THE MOON Ⅱ】

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「な、つ……き」 「未経験」 「夏樹っ」 「……当たり?」  組み敷いているのは俺なのに。 (当たりだよ)  心が跪かされるような  酷い錯覚に陥れられて。 「ははっ……冗談」 「……じゃないよ」 「――っ」  まっすぐな瞳に  心臓が、鷲掴みにされた。 「オレを抱いてよ」 「は……放せ、よ」  抵抗が意味を持たないコトを  初めて――知った。 「尊は、興味無い?」 「酔っ払いには無い」  返す声に、  動揺の色が混ざる。 (あーあ。ダサいねぇ)  それに気付いて、   自嘲の笑みを零した。
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