第十二章 動き出す者達

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「ちょっといいかしら」 沙羅に皆の視線が集まる。 「あぁ!」 キュッ、と沙羅が悠斗の手を掴み、それを見た佳奈美が叫ぶ。 「写真を見てもうわかったでしょ? そういう事だから。それじゃあ、私達はもう行かせてもらうわね」 「さ、沙羅!?」 少しだけ動揺した様に悠斗が沙羅に声をかけるが、沙羅はそんな悠斗を横目でチラリと見るだけで意思を無視し、そのまま手を掴んだ状態で入り口のドアに向かう。 「ちょ、ちょっと待てよ二人共、どこ行くんだよ!?」 遼平が慌てて立ち上がり、二人に制止の声をかける。 「どこって、決まっているじゃない」 沙羅が振り返る。 「出るのよ、ここを」 「は? 出るって何だよ!?」 遼平が再度聞き返す。 「言った通りよ。ここのキャンプ場を早く出るの。…………わかるでしょ? 死にたくないのよ」 死にたくない。 その言葉を聞いて、皆がざわつく。
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