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「ちょっといいかしら」
沙羅に皆の視線が集まる。
「あぁ!」
キュッ、と沙羅が悠斗の手を掴み、それを見た佳奈美が叫ぶ。
「写真を見てもうわかったでしょ? そういう事だから。それじゃあ、私達はもう行かせてもらうわね」
「さ、沙羅!?」
少しだけ動揺した様に悠斗が沙羅に声をかけるが、沙羅はそんな悠斗を横目でチラリと見るだけで意思を無視し、そのまま手を掴んだ状態で入り口のドアに向かう。
「ちょ、ちょっと待てよ二人共、どこ行くんだよ!?」
遼平が慌てて立ち上がり、二人に制止の声をかける。
「どこって、決まっているじゃない」
沙羅が振り返る。
「出るのよ、ここを」
「は? 出るって何だよ!?」
遼平が再度聞き返す。
「言った通りよ。ここのキャンプ場を早く出るの。…………わかるでしょ? 死にたくないのよ」
死にたくない。
その言葉を聞いて、皆がざわつく。
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