第十二章 動き出す者達

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「多分、田辺もそう思って月島の事を止め――」 隠れていた宗一郎の影から佳奈美が飛び出す。 「手ー繋いでた! 手ー繋いでたよ!? どさくさまぎれて何手なんか繋いでるんですか!? ハレンチな! あぁハレンチな! 許されない、許されないよ!」 『………………』 「……遼平」 「…………うっす」 「あっ、ちょ、ちょっと待ってよ! どこ連れてくの!? 話はまだ終わってな――」 ズルズルと、遼平が佳奈美を引き摺って奥に消えていく。 「…………とりあえず、あれだ。このままここに全員で一緒にいたほうが安全だって事だよ」 「……わかったわ」 沙羅が悠斗の手を離し、皆のほうを振り向く。
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