二人きり

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高揚してくる気持ちを押さえつけるのと、勝手にニヤけてしまう顔の筋肉を締めるのに集中していたら先輩が訝しげに私を見ていた。 「何?都合悪い?」 「い、いいえ!!全然!! 光栄です!!」 「何だそりゃ。そんなに俺と帰れるのが嬉しいのかよ」 「も、もちろん!!」 多分、先輩はからかい半分で言ったんだと思う。 でもその言葉に素直に答えてしまった私。 二人で顔を真っ赤にしながら、黙り込んでしまった。 「......ばかやろ」 「すみません...つい、本音が...」 「............ もういい、喋るな」 「そんなぁ!」 せっかく二人っきりなのに! さっきまで何を喋ろうかと悩んでいたけれど、いざ喋るなって言われるととてつもなく寂しい気持ちだよ。
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