アペナス①

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理由はある。 理由は親が子に用意した環境によって、子はどんな生き物にでもなりえたからだ。 そもそも遺伝子がどうとかと言っている時点で少なくとも半分くらいは自分の責任だと感じるべきだし、そんな子供になってほしくないのであればそれなりの態度で子育てに励めば、自然と子は自分の思い通りに育っていただろう。 それにも関わらず子供のできの悪さを子供に全投げし、その上他人の子供と自分の子供を比べて恥ずかしいなどと言い始めたあかつきには正気の沙汰とは到底思えない。 だがグダグダ言ってはみたものの、世の中に反乱分子が存在するように例外が存在する。 それは、人の人格を変えてしまう程の、トラウマ、事故、恐怖、変化。 それを乗り越えることは生半可な難しさではないだろう。
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