アペナス①

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「あづい~」 エアコンや扇風機とかいう涼しげで便利なものは、環境の突然変異により「破滅」。 ウォータークーラーとかいう気持ちの良さそうで美味しそうなものは同上。 風鈴とかいう苦し紛れの足掻きは、今ブルーシートの上で這いつくばっている僕を目の前でパイプ椅子に座りながら頬杖をついて見下ろしている女子、虹色瑠衣華によって破滅、処分された。 結果、教室の半分ぐらいのスペースしかない埃っぽい生徒会室で、生徒会でもないくせに、夏休みの宿題をせこせこ進めながら左手に文化祭で来賓の方に配るようの大量のうちわのうちの一つを無表情で使っている、クラスメイトの新(あたらし)渡のようになる。 そして、「あづい~」と言うことしかできない、僕のようになる。
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