第二章

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橘「空さんはここを使ってください」 空「はい」 スッと襖が開かれた、案内された部屋は5畳くらいのところでい草の匂いがとても落ち着く 簡単な机や化粧台もあった 橘「今日は疲れたでしょうし、この部屋でゆっくり休んでいてください」 空「ありがとうございます」 じゃあまた後で、と橘さんは部屋を出ていった こんなにいい部屋使っていいのだろうか とりあえず荷物を置いた。自分が持ってきた物の確認だけして壁に寄りかかるように座り込んだ 江戸時代の末期 激動の殺伐とした時代だ これからどうなるのだろうと考えながらしばらくぼーっとしていたけれどどれだけ考えてもわからないことに気がついて、考えるのをやめた いつまでもここでこうしているわけにもいかない お世話になるのだから相応の働きをしなければならないだろう とりあえずお手伝いできることはないかと橘さんを探して部屋を出た トントントン 廊下を歩いていると包丁らしき音が聞こえる。菊さんがいるかも知れないと音の方に行く。どうやら台所のようで、菊さんの姿が見えて声をかけようとした
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