第二章

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店主は怪訝な顔になった。いきなりこんなことを聞くのだから当たり前の反応だろう 店「今は文久3年どすけど」 文久3年? 江戸時代? 空「ありがとうございます」 動揺をなるべく顔に出さないようにしながら何かを買うわけでもなく早々と店を出た どうやらここは日本 文久3年だから江戸時代、幕末 自分はなんでこんなところにいるのだろうか 空「はぁ…」 ため息をついて歩き出した。コンクリートじゃない砂利の道を 現代とは違う建物、あるべきもののない世界。見る景色がいつもとは全く違う ぐグゥ… どうしようか考えながら歩いているとお腹がなった。今はお昼過ぎくらいだろうか お腹空いたなぁ 何か持っていないかと着物をパタパタしたり帯の下を覗いたりした チャリン 金属音がして金貨が落ちた これ誰の着物で誰のお金だろう、使ってもいいのかな? キュるるっと腹の虫が更に食べ物を求めている。ごめんなさい、と心の中で呟いて金貨を拾い上げた
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