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かたくなな私の心が揺れる。
このまま時が止まったら。
どうすることもできないよ。
私の夫は強い人だ。
私がいなくても
一人で自分を律し、
前向きに生きていかれる人だ。
ハンスさんはどうだ。
こんなにも憔悴して、
私がいなくなったら
消えてなくなってしまいそうだ。
ハンスさんを一人残して
私だけ帰るなんて。
７．別れ
イエローキャブの後部座席で、
二人、手を握り合って、
車の揺れに身をまかせていた。
車が止めてある駐車場の前で、
ハンスさんはキャブを降り、
私はそのままキャブで帰る、
はずが、
ハンスさんは、
私にも、ちょっとだけ
キャブを降りて欲しいと言った。
別れがたい気持ちは
私も同じ。
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