第七章 アナタは風邪の子元気がない

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俺は一人どぎまぎしていたけど、アキちゃんはぼうっとして俺から餌付けされていた。 「じゃあ、薬持ってくるから待っててね」 俺が立ち上がろうとすると、アキちゃんはまた俺の服の裾をつかんだ。 「…行くなって…げほっ、言ってるだろ」 あ、アキちゃん………アキちゃん…!!!!!! 俺は感極まってアキちゃんを抱き締めた。 アキちゃんは可愛かったし、可哀想だったし、寒そうだった。 そう、だから俺は抱き付いたのだ… 別にホモとかそういうアレじゃなくて、俺はアキちゃんのために抱き付いたのだ。本当だぞ! ……… 慣れない作業で疲れていたこととか、心配して緊張し続けていたこととかもあって、アキちゃんに抱き付いていた俺はそのまま眠ってしまった。 アキちゃんの熱を持った体とか、アキちゃんが呼吸をしたときの胸とか腹とかの動きとか、アキちゃんの心臓のドキドキとかが心地よくて、薬も忘れてぐっすりだった。 すまぬアキちゃん。 そのまま目覚めると朝が来ていて、玄関には爽からの見舞いの品が置いてあった。 置き手紙には、 『遅くなってすまない!ピンポン押しても出てこなかったから、ここにお見舞い置いておくぞ。秋の好物詰めといたから、適当に食わせてやってくれ』 と、透明感溢れる文字(!)で書いてあった。
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