第七章 アナタは風邪の子元気がない

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お見舞いの袋の中にはりんごとみかん、大根と白菜に、ポカリスエット(二リットル)が入っていた。 果物とポカリはわかるけど、大根と白菜をどうしろという話だったのか? 俺は大根と白菜を使った料理なんてハイレベルなものできないし、まず病人はそんなの食わない…よなぁ 爽の伝えたいことがちょっとよくわからなかった。 それよりなによりよくわからなかったことは、俺が風邪を引いたことだった。 アキちゃんからうつされたとか、それも多分ある。 けど、多分要因として大きいのは、俺がアキちゃんに抱き付いたまま…布団も被らずに眠ったことだった。 つらい。 「おい、大丈夫か…?」 すっかり立場が逆転している…。 少し負い目でも感じているのか、心配そうなアキちゃんがこちらを覗き込む。 絶対可愛いのに、視界がボヤけて見えないことが残念だと思った。 「薬とか持ってくるからよ」 そう言ってアキちゃんは立ち去った。 寂しいな…
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