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連行班は口が半開きになってるし、千は荷物(手錠入りポーチ)を落とした。
場は静まり返り、後輩くんの明るい声だけが響いた。
「おれ、佐久尚冬っていいます。来年!楽しみにしてますから」
楽しみにされても困るけど…
さっきまでお色気半目だった後輩は興奮のため目を大きく見開き、そのレイプ目じみた瞳に無理矢理光を差し込んでいる。
期待されても困るけど…
………
「千、すまない、大丈夫か?ああいうの苦手みたいだったけど」
いや別に俺悪くないけどさ!
一応の心遣い?的な??
「……不潔」
俺は膝から崩れ落ちた。
「…あ、っときの、ことじゃ…ない」
あ"…あ"…とピクピクするだけの存在と成り果てていた俺に千からのフォローがはいる。
よ、よかった?のか???
「それにしても、珍しいな。千がそういうこと言うなんて」
「俺…やらしいこと、…だいきらい、だ…、…から」
「…そうなのか」
「から」の付け足し感ヤバイっすよ。
まぁ、なるほどなるほど。
俺は落ち着かない様子で震えている千の頭を撫でた。
千の髪は相変わらずさらさらでやわらかだった。
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