第八章 クソガキちゃんと!

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俺は千に手を伸ばした。 千の前髪の分け目から覗く、心なしか青白い額に触れそうになった…とき、 「…っ!!!」 手を振り払われた。 俺は驚いた。 ショックとかそういうのじゃなくて、ただ純粋に驚いた。 これがアキちゃんとかならまだしも、相手は普段くっついてくる千だぞ? 俺が愕然としている間、千は俯いていた。 すると突然、顔をバッとあげて、 「…ごめ、…!」 くるりと体を反転させて会場から走って出ていった。 千の顔は青く、少しだけ涙目になっていた。 千とはしばらく一緒にいたからわかる。 …多分さっきの自分の行動にショックを受けている。 「俺は平気だぞ。でも、お前のことが心配だ」 そう伝えたくて、俺は追いかけようとした。 千はきっと、俺と千が初めて出会った場所にいるはず…! しかし、純に手を捕まれて止められる。 「止めときなよぉ。千だって一人にして欲しいときくらいあるでしょ~」 確かにそう…かもな。 …もしかしたら俺はいくらかショックを受けたのかもしれなかった。
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