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そのあとしばらく俺も豪勢な食事をしていたが、やっぱり自分を抑えられなくて祝賀会会場を出た。
千の秘密の場所に行ったけど、そこにいたのは歩き去る猫だけで、千はいなかった。
猫を追いかけてみた。
でも行き着いた先には猫の巣があっただけだった。
………
暗い気持ちで自室へ戻る。
…千のあんな顔は初めて見た。
純は何か知っているのか?
だから俺を止めたんだろうか。
明日謝って、何があったのか聞こう。
そう考えたところで寮の自室へ到着。
玄関に何か紙が置いてある。
なになに…?
『さっきはごめんなさい。最近怖いことがあって、小さい頃のことを思い出してしまっただけだから、ときは悪くないよ。ごめんなさい。ごめんなさい。』
震える文字で書いてあった。
普段の千の流れるような美しい文字とは真逆の、ポツリポツリとした文字だ。
最近怖いことがあって…?
やっぱり何かあったんだ…!!
千を助けたい。そのために話を聞きたい。
俺は玄関を開けた。
「ただいま」
「おう」
千は今一人きりなんだろうなと思った。
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