第4章

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小野崎さんとはこの前知り合ったばかりで、僕にそれまで会えなかったのは遠くまでコーヒー豆を仕入れに行っていたかららしい。 ちなみにクロウの前総長なんだってさ。 年を聞いたら、二十代後半だ、って言われました。 黒い短髪に少し焼けた肌、ちょうどいいくらいに付いている筋肉。それに加えて整った顔ときた。 普段は無愛想だけど、たまに笑ったときのかっこ良さや、クールさにひそかに憧れております。 「そういえば、みんなはテストとかないの?勉強してる姿をまったく見ないんだけど」 クールな雰囲気を常に醸(かも)しだす小野崎さんに「すぐできるから座って待っとけ」と言われたのでとりあえずソファーに座った。 このソファーは小野崎さんがコーヒー豆と一緒に持ち帰ったもの。なぜか僕の特等席になってるけどね。 僕が座ると隣に真白が来て、すぐに僕に抱きついてくる。 これはもう見慣れた光景で、気にするものは一人もいない。……たまに皓雅がチラチラと視線を送ってくるのは無視。 「テストぉ? んーとねぇ、いちおーあるけどさぁ…」 「けど?」 「あまりにもテストの難易度が低すぎてぇ、べんきょーしなくてもオレらならふつーに高得点取れるんだよぉ」 春奇はガサガサと鞄の中をあさったかと思うと、一枚の紙を引っ張りだして僕に見せてくれた。 ……うわー、さすが秀桜西高校。 期待を裏切らない学力の低さ。 こんなのテストとは言わないよ。 「なんで西高えらんだの」 「「近いから!」」 …………………うん。まぁ、僕も似たような理由で東高行ったんだけどさ。
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