第4章

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「なんで夏にわざわざあっつい所に行かなきゃならないのさ。意味わかんない」 「えー、さっき"わかった"って言ってた気がするんだけどねぇ」 「あ、あれはっ」 真白の髪に夢中で………。 あ、そういえば真白は?真白とかも暑いところ苦手そうだし…………。 そう思って、さっきとは反対に僕の髪をもふもふしている真白を見た。 「るり、と……………ぅみ、行…き……たい」 裏切りだ。真白が裏切った。 もはや店内には僕の味方は一人もいない。 けどみんなの期待に満ちた目が僕をぶっ刺してなんか痛い。 「あー、拒否権は………?」 「ないよぉ。男に二言はないよねぇ?」 「瑠璃がいないと寂しいよ」 「「瑠璃ちゃん!絶対楽しいから!!」」 「…………いこ…?」 ……………。 次々と言われて為す術もないまま、しかたなく首を縦にふることになった。 ………真白に「………ね…?」と見つめられたからでは断じてない。………はず。
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