第2章 命の光

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 私の母・桐壺の更衣が、私を身籠り、出産するまで見舞われた数々の虐めは、口にするのも憚られる程であった。 「桐壺の更衣が、帝の御子(みこ)を身籠ったですと!?」  弘機殿の女御は般若の如く、眼尻を釣り上げ、怒りに身を震わせながら、手にしていた香炉を几帳めがけて力いっぱい投げつけた。  周りの女房達はおろおろしながら、弘機殿の女御を宥(なだ)める。 「落ち着き遊ばしませ。女御様。身籠ったとはいえ、男皇子とは限りませぬ。それに、既に、弘機殿の女御様のお産みになられた一の皇子様が、東宮(皇太子)になられているではありませぬか?何もご案じ召されることはございませぬ」
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