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「あなたが羨ましいわ。昼間だったら私もこっそり拝見するのだけれど…」
と、女が答えたが、夜具(やぐ)を頭から被ったのか、途中から声はくぐもって聞こえなかった。
それにしても、私に対して本当に関心がないような素振りだ。あまりに食い付かれても白けるが、こうもあっさりしていると、物足りない。
小君は、
「私は隅の方で寝ようかな。疲れました。ああ、眠い眠い…」
と大きなあくびを洩らしながら灯りを調整しているようだ。女はどうやらこの襖のすぐ向こうに横たわっているらしい様子が手に取るように伝わってくる。
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