第7章 空蝉の人
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几帳をそっと押しやり、中に進む。闇の中で目を凝らすと、足元に 唐櫃(からびつ)のようなものが幾つも置かれていて、散らかっている。 おそらくは私が来ると急遽決まり、ばたばたしていたその名残なのだろう、と思いつつ、もう少し奥に足を進める。 人の気配がする方へ進むと、小柄な女がただ一人、夜具に身を包んで横たわっていた。 この女が“伊予の介の後妻”に違いない。
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