第7章 空蝉の人

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 さぁ、どう出る?恋の駆け引きで負けるつもりは私には全くない。 「…お許し遊ばして」 「許すも何も…許して欲しいのは私の方です。こんなにも貴女を愛してしまった罪を…どう償えばよいのか教えて下さい」  私は女を、強く抱き締める。 「愛しています。…気高く美しいお方」  耳元に吐息をかけながら、囁く。  もう、女は、抵抗しなかった…。
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