第2章 命の光

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「桐壺よ。愛しいそなたに、御子が授かるとは、なんて幸せな事であろうか…。今以上に体を大事になされよ」  父帝の母への寵愛は、私を身籠った事により一層深まった。  日夜、飽かず側に召され、人目を憚らず桐壺の更衣を溺愛なされる様子に、後宮はおろか臣下達も眉を潜めたという。 『まるで、楊貴妃もかくや、と言わんばかりの寵愛ぶり。我が国まで傾く事にならねばよいが…』 『最近では、政務もそっちのけに、桐壺の更衣と過ごしてばかりおられる…。一国の帝として、いかがなものか?』
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