第2章 命の光

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 国の乱れに繋がる妃を、このままにしておくのはいかがなものか?  臣下達の帝への不満は日に日に高まり、その不満は、全て『帝を惑わした』母・桐壺に向けられる事となる。後ろ楯もなく、身分の低い母・桐壺の更衣にとって、後宮ばかりではなく、宮中の人間全てが自分を敵視し、憎悪しているとなっては、針のむしろであった。    それでも母が、里下がりを申し出なかったのは、ひとえに父帝を愛するがゆえである。  父帝からの寵愛のみを盾にし、母は戦っておられたのだ。
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