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我が父帝は、賢帝であったが、一人の男としては愚かだったと私は思う。
確かに母をこよなく愛しておられたのだろう。それは、母が亡くなってからも子である私を溺愛してくださった事や、母に生き写しの女人を後宮に迎えた事からも伝わってくる。
しかし、己の愛欲に溺れ、政務を疎かにし、人の非難を聞き入れず、自らの感情を優先し母・桐壺を側に起き続けたことで、結果、母が早くに命を失う事になったのだ。男として、愛する者を充分に守りきれなかった…いや、守るどころか苦しみの淵に落とし、破滅させてしまった、その行動を愚かと言わずしてなんといえばよいのだろうか？
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