第2章 命の光

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 雨は勢いを増しながら、その夜中降り続いた。  知らせを聞き付けた、帝が血相を変えて、桐壺の更衣の局に訪れた時、既に母は、高熱から意識を失っていた。  母・桐壺の更衣は元来、体が弱く、おまけに私を腹に身籠っていた為、長時間、雨に打たれ、体温を奪われた事が、その華奢な体に致命的な影響を与えてしまったのである。  加え、かねてからの心労により、その日以来、床に伏せる事となった。  
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