第2章 命の光

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「お願いです…。どうか御子を無事に生む為に、里に下がるのをお許し下さい…」  息も絶え絶えに、母・桐壺の更衣は、帝に訴えた。彼女の初めての帝への懇願であった。帝は、桐壺と離れがたく、離れてしまってもし万が一の事があれば…と恐怖にかられて、なかなか首を縦には振らなかった。  しかし、医師の見立てもあり、数日後、桐壺の更衣は、宮中を退出する。この時、私の母である桐壺の更衣は、内心ほっとしていたに違いない。  いや、母は、間違いなくほっとしていた。
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