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弘機殿の女御に関連して、私が齢四つになった年の春に、弘機殿の女御の息子で、私には義兄にあたる、一の皇子が、正式に東宮に任命された。
この任命に、宮廷は「当然」と頷く者半分、驚きを隠せない者半分に分かれた。驚きを隠せない者の多くは、私が東宮になるものだ、と思っていた人々だ。
確かに、帝には、一の皇子よりも、二の皇子を自分の後継者にしたいという思いがあった。
だが、後ろ楯も母も無い私を簡単に東宮には出来ないという問題も同時に感じておられた。
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