第3章 藤壺
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祖母が死に、屋敷の主は私のみとなった。死の匂いのする、裏寂れた屋敷に、未来のある世にも美しい皇子が一人、というのはどう考えても似合わぬ組合せだ。 帝は、頼る者を無くした私を、御自身がおわす宮中で養育する事を早々に定められた。 私はようやく、帰るべき場所に帰れる事に安堵した。 私がいるべき場所は、宮中だ。宮中の父帝の側だ。 私はそれを本能的に感じていたのだ。
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