第3章 藤壺

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 後宮の妃達は、私の母を憎んだと同じ位、私を愛した。  あの弘機殿の女御でさえ、幼い頃の私にはそれなりに優しくしてくれたのだ。  流石に他の妃達のように、撫でたり抱き締めたりはなかったが、直接、菓子を下さったり、一の皇子と遊んでいる際に、優しい言葉をかけて下さったりした事はあった。
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