第1章

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教室につくと、谷山が「おはよー浩。ひさしぶりに早いじゃないか」と言った。 「久しぶりにってひでぇなぁ」 軽く笑いながら席に着く。 「おはよう。今日はなんだか目が赤いんだけど大丈夫?」 隣の席の宮野が言う。 「ああ徹夜でゲームしとったからなぁ。」 そう嘘を言いながらあくびをした。 「まあ授業中にちょっとだけ寝るよ。」 後ろの席の谷山が 「お前寝るのかよ。佐々木センセーの時は寝るなよ。泣くからあの人。」 佐々木先生は生徒が自分の授業中に寝ると泣きながら起こしに来る。ガチすぎて誰も寝れなくなってしまう。 「ささちゃんの授業は寝ないことにするよ。泣かれたら後味悪いしね。」 というと宮野が 「私もささちゃんの授業眠くなるんだけども寝れないんよねーガチで泣くから。」 と言った。 授業中は先生に合わせて寝て、放課になると元気にしゃべった。 本当に最後なんだ・・・。そう思うと喋らずにはいられなかった。 「今日はアイスおごってやるから、一緒に帰ろうぜ。」 俺は小声で皆に聞こえないように言った。 「やったぁ、嬉しい!」 宮野はそうやって喜んだ。
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