第1章

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授業が終わりホームルームも終わったところで、俺は谷山に 「谷山、じゃあな。」 と言った。最後の挨拶、だと思った。 そして宮野に 「行こうぜ」 と言い、いっしょにアイスクリーム屋まで歩きだした。 「うーん。よく晴れていい日だなぁ」 俺はそんな事ばっか口にしていた。 「浩二がおごるなんて雪でも降るかしら。」 おごるといったのがそんなに珍しいものだったのか。 「えー俺そんなに、おごったこと無かったっけ。」 少しふざけていった。 「お小遣い少ないから無理ってよく言ってたじゃない?」 生活するのも大変なのでお小遣いはそうもらえない。もらえてるだけ幸せだった。 「そうだね。まあ今日だけだけどね。」 今日で終わりだ。この生活は今日で終わってしまう。 「なにそれ~。」 そんなことを言いながらしゃべっていると何かこちらを見ている気配を感じた。 見えてしまった 「宮野、ごめん今日はアイスクリーム無理だ。」 「えっ」 おれは柔軟な足によって宮野をまきこまないように、即座に屋根の上まで飛んで隠れた。 警視庁公安部怪物対策室の奴らがいる。というか【見えた】からだ。 (はやく父さんに知らせないと・・・)
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