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そうやって公安の人間が来るたびに父親と引っ越しをしている。
「逃げるんですね。」
そういってのけたのは進行方向にいる、屋根の上に堂々とのっている少年だった。
俺は、その少年がいつそこにいたのか、わからなかった。
俺の学校の制服でもなければ、この近所の学校の制服でもない。
校章には赤色でAと書いてある。
メガネをかけた茶髪の、にこにこ野郎だ、がしかし、その裏で何を考えているのかわからない。
「にげるよ。そりゃ。」
公安の人間についてきてた男だ。捕まったらどうなるかわからない。
「逃がしませんよ。」
ふと、踏み込んだ瞬間、男は目の前にいた。
高速で目の前に走ってきたのとは違う。これは・・・。
俺の腕を反対側にねじりながらその男は言った。
「僕の能力は、瞬間移動なんです。」
足蹴りを食らわせて一旦そいつを屋根の上で倒しそして俺はさらに逃げた。足の筋肉を盛大につかって2つ先の屋根まで跳んだ。
とおもったら瞬間移動で俺の近辺に飛び、今度は俺が足蹴りを食らった。倒れた俺の体を押さえつけ、手を後ろにひねられ俺は捕まった。
手錠に似た四角めな拘束具で手を後ろに縛られた。
「筒井智也と申します。高等部1年で柔道部をやっています。よろしくお願いしますね。」
何かよくわからない挨拶をされた。
そして、彼はにっこりと笑った。
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