第1章

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そう言われて、ドアから入ると、机の上に上履きのまま足を載せて、ネクタイはゆるめ、だらしない格好をした、日野秋良がいた。目が合いそうになったけど、向こうがワザとそらしたみたいだ。 「早坂浩二です。よろしくお願いします。」 ざわざわとクラス中から声が聞こえてきたが、何かびっくりしているようだ。 黒板に名前を書いて、俺は平凡な挨拶をした。 「早坂君の席は、後ろの日野君のとなりね。」 げっ!と一瞬嫌な気もちになった。相手もそうだろう。 後ろ側の空席まで歩いていく途中、男子生徒1名に「よろしくね。早坂君。」と言われて 「こちらこそよろしく」と返した。席に着くと日野君があからさまに目を逸らしていたので、声はかけなかった。 授業は普通だった。普通の中学生の普通の授業だった。そして見渡して見ると全員が同じブレスレット型の機械をはめていた。 そして放課の時間。日野はどこかに行ってしまった。 そして、さっき挨拶した男子生徒含め何人かが俺の周りに寄ってきた。 「ねぇねぇ、今って外どうなってるの?」 その質問が多かった。 「外は普通だよ。首相がちょくちょく変わったり、嫌な報道もあるけども」 話をしているうちに金髪の男の子が話しかけてきた。 「俺、広瀬って言うんだけど、この年齢になってから捕まる奴少ないから、皆君に興味深々なんだ。なんだか悪いな。」 そう言いながら広瀬は手を合わせた。 「いや、全然いいよ。ありがとう広瀬君」 「広瀬でいいよ。」
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