第1章

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「部屋の開け閉めはポイント測定器でバーコードにかざせば開けれるからね」 そういい、その後、じゃあまたねーと言いながら間宮先生は帰っていった。  広い部屋に夕暮れの色が写っていた。結界のせいか、遠くまで見えなかったが、それでも昔の結界の外を思い出してしまう。  とりあえず、机にすわってみてポイントカタログを開いてみる。  カタログの内容は漫画、家具、服、パジャマなどなど、沢山ある。  何ポイントで買えるとか、そういうものを細かく書いてあって、発注書みたいなのが後ろについていた。  とりあえずパジャマがなかったので、パジャマを注文してみることにした。取り敢えずポイントは30ポイント先に入ってあった。  これをまた職員室に持っていかなくてはならない。 「めんどくさいシステムだ・・。」  俺は、もう一度職員室へ行くために、壁に埋め込まれてあるバーコードに腕輪をかざした。ピッって音がでてドアの鍵を開ける。そしてドアは勝手に閉まった。 そして外に出たら、さっきは気がつかなかったが、となりの部屋のノブに「由良図書館」と書いてあるダンボールの手作り札が掲げてあった。  由良図書館とはこれか。  俺は開放されているその部屋まで行ってみることにした。 そこには斉木亜紀さんが、本を立ち読みしながらいた。 「早坂君、こんにちは。」 無表情な感じで、謎めいた印象を受ける。笑おうとしてるように見えるが目が笑っていない。  「亜紀さん、由良先輩はもしかして柔道部?」  先ほど柔道部にいたのだからまだ帰ってきてないみたいだ。
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