第1章

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3限目の授業には遅れてしまった。 ガラガラ・・っと教室の後ろの戸をあけると、数学の先生が「早坂か・・席に座りなさい」と言うので「はい」と答え席に座った。 放課になったら、広瀬が「お勤めご苦労!」といいながら俺の席の近くにやってきた。 「あー日野君もご苦労ね。」 そう広瀬が言ったら、日野がチッっと舌打ちした。 その瞬間、でかい声で女子達が喧嘩している音が聞こえた。 広瀬が止めに行き、俺も立ち上がろうとした瞬間、 ドンッというすごく大きな音と共に、「広瀬はかかわらないで」という声が聞こえた。 広瀬は黒板にまるで貼り付けにされたようになっていた。 「広瀬!」 俺は走って広瀬の所に行った。    広瀬は口から血が出ており脇腹を押さえている。 「緊急ボタン押します!」 読みかけの本を雑に置きながら三つ編みの女の子が何かを押しに行った。 俺は能力が火だから何もできやしなかったのだが、取り敢えず、広瀬を黒板からはがして、地面に寝転がせてやった。 俺は広瀬のネクタイを緩めて、「守ってやれなくてごめん」とつぶやいた。 聞こえてたのかどっちか分からないけれども「大丈夫だから」と広瀬は言った。 約1分ほどで看護師達や医者が担架を持ってきた。 そして担架に乗せられ、広瀬は何処かへと運ばれていった。
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