あやまち

彼氏

ローテーブルを挟んで座っているあたしに、翔太は自分の横のスペースをポンポンと叩きながら、ここへ来るように訴える。

その声につられるように腰を上げ、そのまま翔太が指定した場所に座った。

それと同時に肩に腕を回してきて、翔太からふわりと感じる香りに凄く安心する。

シトラスの男らしい香りの中に、パウダリーな甘さとミントのような爽快さも混じっていて。

何て言ったっけな、この香水の名前。

首を傾げながらそんなことを考えているあたしの髪を、翔太の大きな手がすくように撫でる。

それが凄くくすぐったい。