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第1章
記憶がなくなるのは頭を打ってからです。自分が誰かなのは分かるけど、親の顔があやふやになる。学校を途中で抜けて病院に行くのに待ち合わせして自分の名前を呼ばれたから確認をする。「おかあさん?私のおかあさん?」
学校に行くのも、家に帰るのも大丈夫なのに。さっきまで行けれてた教室に行けれなくなる。自分の席も忘れる。「私の席ここ?」
彼を分かるときもあったけど、顔が分からなくなる時もあった。
仮面を被ってるみたいに見えて、分からなくなる。
成人式に会ってから何回も電話してきてくれて、ご飯を食べに行く約束をした。でも、忘れた。そんな約束をしてないと言い張り。記憶が戻らないから彼を遠ざけそして、後悔を何回も繰り返した。
彼はいつも守ってくれて私を想ってくれた。
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