第1章

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【プロローグ】 暇や退屈といった事はこの世の中に溢れていると思う。 例えば、好きなドラマや映画に情熱を注ぐがそれもいつか終わる。つまり飽きてしまう。 人生の中で一生続けられるものを見つけるのは困難である。それを見つける事が出来た人間はそれだけでも誇られると思う。 さらにそこからそれを自分の夢として実現できる人間は一種の才能と言っても良いはずだ。 よく学校の先生が生徒に「お前らは何にでもなる事が出来る! 夢を諦めるな!」と言う先生がいるが正直言ってそんな訳がない。人間には向き不向きがあるし、やりたい事があったとしてもなんらかの事情で諦めなければならないケースもある。世の中はそんなに甘くはない。 さらにやりたい事もなく、人生を半分諦めてるような人間はどうしたらいいのだろうか...... つまり、高校生活をモルモットのように過ごし、趣味も将来の夢もない俺...... 北海道立夢見高校2年A組12番の山中啓太はこれからの人生をどう過ごしたらいいのだろうか。 毎日を退屈に過ごし、放課後はすぐに家に帰宅し気休め程度の勉強をして残りの時間を適当に過ごし1日を終える。それを2年ぐらい繰り返してきた。成績は中の中。運動は中の上。顔立ちは中の中。スタイルは中の中。全てが平均的な俺...... ずっとこんな生活を死ぬまで続けるのかと思うと嫌気がさす。かと言って変わろうとする努力をするつもりもない。 これをぞくに社会のクズと言えるのではないか。 そんなジレンマが頭の中でループされていく。そんな自分は漫画や小説で例える事が出来るのなら、生徒Aや通行人1......モブという何でもないキャラに分類されるのではないか。 主人公なら周りに美少女をはべらせ、ハーレムを作り、自分の都合の良い世界に変えていくんだろうと思う。 なんて、空想の世界に思考をめぐらせても仕方がない。そんな都合の良い世界より退屈で面白みがない世界を生きていく方法を探さなければならない。 そんな北海道立夢見高校2年A組12番の山中啓太......つまり、俺のつまらなくてその辺の石ころのような物語が始まる。
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