レバの思い出。特別養護老犬施設・要介護度3

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レバはゴールデンリトリバーである。銀と死に別れて、ペットロス状態になった時、貰って来た。 15年の間に、子犬は至極高いものになっていたし、高級犬ばかりになっていた。 私は盲導犬協会から、リタイア犬を貰って来た。 盲導犬協会は、大阪の能勢の山奥に、犬の養老院を持っていて、現役引退した盲導犬は、ここで余生を過ごす。殺処分にしないのは、殺処分だと、飼い主が手放さないからである。 目が霞み、動きが鈍くなった盲導犬をいつまでも現役に留め置くと、飼い主の命に危険が及ぶ。 そこで、引退した盲導犬は、能勢で大切にされます。天寿を全うしますと、盲導犬のチェンジを促す。 で、盲導犬協会も、リタイア犬にタダ飯食わすのは、けっこう財政負担が重いので、これをペットとして飼いたい人が居ると、審査の上、無料で分けている。 審査とは、ちゃんと可愛がってくれるか盲導犬協会の職員が訪問して判断する。 譲り受けた途端に食っちまう人だって、いないとは限らない。 審査基準は、概ね次のようなものである。 ①過去に中型犬以上の飼育経験があること。 これは、前の犬の予防接種の記録や鑑札を示せばよいが、飼っていたことがわかれば良いのだから、獣医の診察券や、存命中の写真でも良い。また、現に他の犬を飼っている人は、その犬を見せても良い。初めて犬を飼おうという人は、ダメである。 ②部屋飼い出来る設備があること。 つまり、ケージや、食器や、首輪などの道具類を揃えていなければならない。 ③家族全員の同意があること。 一人でも反対者がいては駄目なのである。 当時私は21歳で大学生であり、家族は自分ひとりだから問題はなかった。
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