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犬はかわいい。猫もかわいいが、猫とは違ったかわいさがある。
まず、犬には、なんとか人の役にたとうとする、健気さがある。一方的収奪を狙う猫との決定的な差である。
また、犬は、人を猫より、細分化して差別する。
①餌をくれる人
②餌はくれないが、好意的関心を向けてくれる人
③無関係な人
④敵
を峻別する。
だから、銀の中で、もっとも従うべきボスは私であった。祖父は敵に近かった。
乳をせがんでも、邪険に追い返す祖父は敵なのである。乳を運んで、口元まで持ってきてくれる人は、愛すべき仲間なのである。
銀は、祖父が搾乳に来ると、雨でも運動スペースに避けるようになった。
この峻別が、愛されなつかれた側には、たまらないのである。
私が飼った犬は、銀と、銀の死後に迎えたゴールデンリトリバーのレバの二頭だけである。
今は飼っていない。
今子犬を飼い始めると、15年付き合うと、私は71歳になっている。散歩に付き合い切る自信がない。
また、成犬を貰うのも嫌である。
それは、レバを飼うことで私が学習したことである。
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